君の隣




夢花に笑っていてほしい。



それは夢花の幸せを思ってのコトだったのに…


結局、俺の自己満でしかなかった。




俺は何も分かっていなかった。



夢花の心の奥の


悲しみ…


孤独…



どうして気付けなかったんだろう…?




自分で自分が情けないと感じる。



今まで、夢花の何を見てきたのだろうか…?




夢花の傷は…


俺の思っている物よりも

深かった。



時間がたてば癒えるような

傷じゃない。




夢花の泣き声が耳にこだます。




胸がズキズキと痛んだ。




俺の存在は
夢花の支えになんかなれていなかった。




自分で思って、泣きそうになった。




夢花は傷付きすぎてた。



でも…

俺には何もできない。




夢花の傷をさらに深くえぐってしまうんじゃないか、って恐い。



俺は、頭を抱えて
その場にしゃがみこんだ。




『ママぁ…寂しいよ』




夢花の寂しさは俺で埋められるの…?




『ママ…会いたいよぉ』




俺じゃ…ダメなの?




俺の存在じゃ
夢花の孤独を埋められない…?



埋められるなら…


もう2度と、夢花が傷付かないようにそばにいてやるのに…