君の隣





どれだけ名前を呼んでも

ママには会えないのに…



どんなに泣いても

ママは来てくれないのに…




涙が止まらなかった。




『ママ…、会いたい…

寂しいよ… 寂しいよぉ…』




涙はとめどなく落ちていくのに…
心は軽くならなかった。



ずっと


秘めていた思いが


溢れていく…




忘れられない過去が


癒えない傷が


まだ、あたしを苦しめた。



人の死は


残された人に


大きな悲しみを与える。



孤独を与える。




忘れるコトなどできないんだ。



時がたっても


笑っても


心の奥にはいつも残ってしまう。



綺麗事を並べたって…


何も変わらない。



傷は綺麗な言葉で片付く物なんかじゃない。




ねぇ…


ママは幸せになれと言ったけど…


あたしは幸せなのかな…?




奏は一緒にいてくれる…

それにはすごく感謝してる。



でも…

大切な物を
無くしたあたしは幸せなの?




ママとパパと笑い合うコトも


あたしの幸せだったよ…




ねぇ…

ママ…

もう一度、笑ってよ…