君の隣





この聖なる夜に…

ママのコトを思い出す。



クリスマスは
毎年、皆でお祝いしたっけな…



ママの特製ケーキ…


あたしがデコレーション係だった。



パパとママはすごく仲がよくて
パパは毎年、クリスマスにはチョコレートコスモスを
ママにプレゼントしていた。




ママは
子どものあたしでさえ、かわいいと思ってしまう程の笑顔で笑うんだ。



自慢の家族だった。



ママの柔らかい笑顔。


パパの優しい言葉。




それが毎日、家の中には溢れていた。



幸せという言葉がピッタリな家族だって自分で思っていた。




何がママを変えたの…?



ママが死んだとき


あたしはママのことも

自分のことも責めた…


恨んだ…



けど、ママはやっぱりママで…



死ぬ間際まで、あたしたちのコトを考えていた。




最後まで優しかった…




ママの笑顔がもう一度見たい。




パパとママが笑い合う姿を見たい。



ママに…


会いたいよ…




空には
無数の星が輝いていて…


ママを探すには多すぎた。




『ママ…』



ずっと堪えていた涙が
溢れ出してしまった。



強くなるって決めたのに…



『ママ… 寂しいよ…』