君の隣




今日も奏といつもの場所にいる。



冬の海はすごく寒かった。



でも、君が触れたところから熱が伝わってくる。




お互いの体温を求めて
あたしたちは手を繋いだ。




『もうすぐ、クリスマスだな』



『うん、そうだね』



廻りには、あたしたち以外誰もいなかった。




波の音とあたしたちの話し声だけが聞こえる。




『イブは、一緒に街の方行くか?』




『ホント!?』




『おぅ、連れてっちゃる』




『やった!』




奏は照れくさそうだった。




クリスマスは一週間後。




今から何を着ていくかとか、

何をしようかとか、


色々考えてしまう。




この時は、まだ…

好きな人の隣にいられるコトが
どれだけ幸せなのか気付いてなかった。




隣に奏がいるコトが当たり前で。



傍にいられる
その小さな幸せに気付けなかった。




幼かったあたしは…


何も気付けなかった。




あたしたちの未来は…


少しずつ
変わり始めていたのに…