君の隣




『そりゃ、きれいな方がいいけん』



『じゃぁ…
あたしがもっときれいになれば、あたしのコト見てくれるん?

あたしに振り向いてくれるん?』



何してるんだろ…


こんな大声だして
もっと嫌われちゃうじゃん…




『堂本?』



奏くんが戸惑ってる。


困った顔であたしを見てる。



こんな顔、してほしい訳じゃないの…



奏くんの、幸せそうな笑顔が見たいの…



自分が真底きらいだ。



『気づいとるくせに、気づかないふりせんで…!

何が足りんの?

好きで好きでたまらんのに…


奏くんは…
夢ちゃんしか見とらん…!』



『すまん、堂本…
俺、夢花のそばにおるって決めたけん。


俺はあいつじゃなきゃダメなんだが…


あいつも俺じゃなきゃダメだ…


だけん…』



聞きたくない…


そんなのろけ話いらない…



あたしは
奏くんの言葉が終わる前に、奏くんの背中に手を回した。



『言わんで…
もう、言わんでよぉ…』



あたしは泣いた。



奏くんの胸を何度も叩いた。



『な…んで…。
こんなに…好き…で…おるのに…』



『すまん』



『謝らんで…よ…

もう…何も言わんで…


夢ちゃん…
いつまで…そこにおるん?』


あたしは
一本の木に向かって言った。


木の陰から
夢ちゃんが泣きそうな顔で出てきた。