『今日は自由行動だけん、
誰とどこに行ってもかまわんが、マナーは守るようにな』
前に立った先生が大声で言った。
『はーい』
と、皆がわざとらしく返事した。
自由行動…
誰とまわってもいい。
やっぱり奏とまわりたい…
そんなコトを思っていると
奏が声をかけてくれた。
『2人でまわろうや』
『うん!』
奏の誘いが嬉しくて
思わず笑顔になってしまう。
『どこ行きたいか、決めといて』
奏も笑ってそう言った。
一度、部屋に帰って仕度をした。
『夢ちゃん。奏くんとでかけるん?』
『うん』
『そっか…
あたし、あきらめんけんね』
一香ちゃんは
少しきつい感じで言った。
あたしは何も言えなかった。
そのまま、荷物を持って部屋を出た。
ホテルの前に
準備のできた奏が立っていた。
『お待たせ』
『おぅ。行くか』
奏はあたしの手を握って歩き出した。
4時にはホテルに着かなくてはいけない。
今はまだ9時。
時間はたくさんあった。
奏と2人の時間は
幸せで、楽しくて、あっという間に過ぎていった。

