『夢花〜!早くおりてきなさい!奏くんが来てくれてるよ!』
『今、いくー』
あたしはスクバをリュックのようにしょって、下に降りていった。
こっちにきてもう2年がたち
あたしは中学生になった。
『奏! おはよう!』
『おはよ。夢花、遅ぇ』
『ごめんごめん。ちょっと寝すぎちゃって…』
『まぁ行くか』
『うん!いってきまーす』
奏とは毎日一緒に学校に行く。
くだらないコトを話しながら歩く通学路は案外楽しかったりする。
それは奏だから。
奏の隣にいれるから。
あたしは奏と出会って
一緒に過ごしていくうちに
どんどん奏を好きになっていった
都会の人とは違う。
意思の強そうな瞳も
頼りがいのある大きな背中も。
全てが愛しく思えた。