君の隣




色んな所を見てまわった。



途中の試食も忘れずに全て食べた。


タダより安い物はない。



午後3時になって
泊まるホテルに全員が集合した。


部屋割りは
男女2部屋ずつで
部屋もみいと一香ちゃんと同じだ。


ホテルの中は
思っていたより、きれいだった。


『意外ときれいだな』



奏がホテルの中を
見渡して言った。



『ね。夜もバイキングらしいよ』


あたしの一番の楽しみ。



『夢花は食い物のコトしか頭にねぇのな』



奏が笑ってからかってきたから
あたしは軽く奏の頭を叩いた。



『うるさいなぁ!』



『なに?俺のコトの方が頭にあるか?』



いたずらっぽく奏が聞いたから
軽く睨んで



『調子にのるなー!』



と、奏の頬をつねった。



『いてぇぇよ!
分かったけん、離せや!』



頬から手を離してあげると
奏は頬をさすった。



『奏が悪いの!』


そう言って笑うと
うるせ、と奏も笑った。



ホテルの部屋へ向かう
長い廊下の途中で
一香ちゃんが耳元で言ってきた。


『いいな、仲良くて。
羨ましい』



口角を少しだけあげて笑った
一香ちゃんの目は
笑っていなかった気がした。