君の隣




島根にはない
歴史的な雰囲気が少し息苦しい。


『女子たち
回りに他の観光客いるんだけん
静かにしてろよ』



男子組があたしたちを見て
言ってきた。



『わかっとるよー!
男子はいちいちうるさいけん、
だまっとってよ〜』



いつものように
みいが反抗した。



『はいはい、喧嘩せんの』



一香ちゃんがみいの口をふさいで
小声で言った。



『みいちゃんは素直じゃないけんね。
そんなむきにならんで』



『同感』



あたしも一香ちゃんに同感した。


『だって、どうしたらいいか分からんけん。
大の前でかわいくいたくても
そんな簡単にいかんが…』




そんなことを
不安そうな顔で話すみいは
すごくかわいく見えた。



本気で大が好きなんだな、と思う。


こんなに思われて
大だって幸せだと思う。


気付いているのかはわからないけど…



『みいちゃんの気持ち分かる。
素直になりたくても怖いんよね?
でも、何もしなきゃ変わらんけん。
あたしは頑張ろうと思っちょるよ』



一香ちゃんがそう言った。



がんばる…?


まだ確かではないけど
一香ちゃんは奏が好きだと思う。


がんばる


その言葉が妙に気になってしまった。