『あたしは、あの子になりたかった。
奏くんに愛されて、大切にされる夢ちゃんになりたかったが。
けど、やっぱりなれんで…奏くんを癒すコトも出来んで…
だから、奏くんがあたしを受け止めてくれた時は本当に幸せで壊れそうなくらいだったが。
でも、あたしは初めから分かってた気がする。
無理があったんだが…。
あたしは、あの子の代わりにはなれん。
奏くんを幸せにできる自信がないが。
もう、大人だけん。
瞬間のときめきで動いてた高校生とは違うが。
さよなら、しよう?』
『……莉乃』
『そんな顔せんでよ。奏くんはたくさんのものをあたしにくれた。
ありがとう。忘れんよ』
『俺、カッコ悪いな…。莉乃、今度はもっといい男見つけてな』
『言われなくても、分かっとるが。 ほら、はやく行って』
俺は玄関の前で“ありがとな”と言って部屋を出た。
莉乃…
ごめんな。
カッコ悪くてごめん。
だけど、自分に嘘もつきたくない。
最低かもしれない。
ダサいかもしれない。
けど、伝えたいコトがある。
心の奥に閉まってあったものがある。
もう、後悔したくないから…

