―奏side―
成人式… 久しぶりに夢花と会った。
あの頃よりは大人っぽくなってたけど、やっぱり夢花は夢花のままだった。
夢花と、久しぶりに言葉を交わす。
その感じが懐かしかった。
俺は、莉乃とまだ付き合ってる。
けど、最近はあまりうまくいってなかった。
2人とも、忙しかったりして顔を合わせないコトが増えて…
2人の会話も減ってきた気がする。
俺が夢花と話していると、莉乃が俺の隣に来た。
でも、俺は思ってしまった。
今は、来ないでほしかった、と。
今の彼女は莉乃だし、夢花とやましいことがある訳じゃない。
けど、2人の空間が懐かしくて…
もう少しだけ想い出にひたっていたかった。
夢花は莉乃を気にする様子でその場を離れようとした。
このまま、終われないと思った。
その瞬間、俺は夢花の手を掴んでいた。
明日、いつもの場所の砂浜で待っていると告げた…
莉乃はもしかしたら、聞こえなかった訳じゃなくて、聞こえないふりをしてただけかもしれない。
そう思うと、俺は最低だ。

