君の隣





同窓会は12時ぐらいまで続いた。




あたしはみいと家に帰って、その日はすぐに寝てしまった。





次の日…



8時にかけておいた目覚ましに起こされた。




隣でぐっすりと眠るみいも起こして、みいママが用意してくれた朝ごはんを食べた。




“10時に砂浜で待ってる”




昨日の奏の言葉がさっきから頭を支配する。





あたしは、10時までの間ずっと何を話すか考えてた。




みいの家を出る時、みいが笑顔で見送ってくれた。



それがすごく力になった。





砂浜に行くまでの道は懐かしい。



だんだん近づいてくる潮の香り。



そこに、奏が待っていると思うとあの時の気持ちが蘇ってきそうで胸が切ない。





だんだんと、海が姿を現す。



何段かしかない階段…



そこには、彼が座っていた。





『…奏』




名前を呼ぶと、大きな背中がこっちを向く。





『おぅ、座れよ』





奏は自分の隣を指差した。




あたしは言われたとおり、そっと隣に座った。




懐かしすぎて…涙が目にたまる。



あたし、奏の隣にいるんだ。