同窓会にはたくさんの懐かしい友達がいた。
あたし、みい、奏、玲音、大が久しぶりに集まった。
同じテーブルに座って、お酒を片手に話した。
皆、大人になって…
現実を生きていく。
誰も守ってくれない、それは間違いだと思う。
大人になっても、あたしたちは色んな人に支えられて生きてく。
独りで歩いていける人なんて、いないんだ。
たまに、こうやって過去に浸るのも悪くない気がする。
当時の気持ちを忘れたくない。
あんなにドキドキして
あんなに幸せで
あんなに大切だった。
あの気持ちを忘れたくはないんだ。
みいと大は相変わらず喧嘩ばっかしてるけど、二人とも幸せそうに見えた。
玲音は自分の会社を継ぐために、一生懸命勉強してる。
奏はプロにはならないで、子供たちにサッカーを教えたいらしい。
そして、あたしはエリカさんの下で今はがんばってる。
皆、それぞれ選んだ道を進む。
10代の時、奏との未来をずっと夢見てた。
でも、20歳のあたしは奏と別の道を選んで前を向いて頑張ってる。
あの時のあたしが今のあたしを見たらどう思うんだろうか…?
尊敬するのかな?
奏との道を選ばなかったコト怒るかな?
そのどちらだとしても、あたしは後悔したくない。
まだ、心が揺れることはある。
まだ、過去を見ることはある。
けど、今は前より強くなれた気がするから。
こうして、ちゃんと奏と話せるんだ。

