君の隣





そして、成人式当日―。




あたしは、みいと一緒に慣れない振り袖で会場に向かっていた。





みいのママが車で乗せていってくれてすごく助かった。





髪の毛もいつもより盛ってもらって気持ちまで盛り上がる。





会場に着くと、たくさんの新成人の人で溢れていた。





自然に輪ができていって、懐かしい学生時代の話しに花が咲く。





久しぶりに会った中学の時の同級生たちはあたしに会えたコトを本当に嬉しそうに喜んでくれた。





時間が戻ったみたい。




今日くらいはいいかもしれない。



あたしは気づいてる。




自分が無意識に“誰か”を探していること…




その“誰か”が誰なのかってこと…





……あ。


いた―。




少し離れたところで、懐かしい同級生の男子と笑いながら話してる姿。




あの時と少しも変わらない笑い方。

やっぱり、誰よりもいい笑顔。




あの頃よりも背が伸びて…


筋肉質な体型になったかもしれない。



その姿は昔よりもたくましい。



髪なんか、濃い茶色に染まっていて大人っぽく見える。





懐かしい。





その姿はいつもあたしの隣にいた。



辛い時には、光になってくれた。


幸せな時には、その幸せを分かち合った。




あたしの心を支配した。



傷ついたけど、切なかったけど…

それ以上に


大切で、大好きで、幸せだった。








君と何年ぶりに目が合ったのだろうか…?