ロビーで時間を潰してた。
あと、20分ぐらいで案内されるだろうか…?
その時、あたしの名前を呼ぶ声がした。
『……玲音』
こっちに向かって手をふる爽やかな男の人。
二十歳になった玲音はますますかっこよくなってた。
『夢花、久しぶり』
『玲音も成人式は島根で…?』
『うん。親のお許しが出たから。
やっぱり、俺はあの場所が好きだしさ。
同じ飛行機かな?』
『多分、同じだと思う』
二人のチケットを確認すると、席も通路を挟んで隣だった。
『すごい偶然だ』
『ね。久しぶりに会えてうれしいよ。玲音、成人式来ないと思ってたから』
『俺、実はイベント好きだから。
楽しみで夜も眠れなかったよ』
大げさにいう玲音に少し笑ってしまった。
『俺等、もう二十歳だな』
『うん…。早いよね』
『今だから…言えるんだけどさ。
俺は、ずっと夢花が好きだった』
『…え?』
玲音は少しだけ恥ずかしそうにしたけどサラッと言った。
あたしの心はかき乱される。

