成人式が近づいてきた。
あたしは成人式の2日前に島根に行くことに決めたから、明日出発する。
久しぶりにみぃの家に泊まることになってる。
島根に行くのはやっぱり少し怖い。
奏に会えば何を話していいか分からないし、普通にできないかもしれない。
でも、やっぱり会いたいと思う。
あたしに色々な物をくれた奏とまた笑って話したい。
その間に、前みたいな感情はなかったとしても、奏があたしにとって大切であることには変わりない。
それは、これからも同じだと思う。
あたしの中で奏はやっぱり特別な人。
今は本当にそう思える。
奏と恋をして…
傷付いたし、傷付けた。
苦しかったし、辛かった。
でも、そんなコトよりもっと大きなコトがある。
あたしは奏と恋をして…
幸せだった。
優しくなれた。
温かくなれた。
色々な感情を知れた。
笑顔をくれた。
奏がいるから、今のあたしがいる。
そう思うことで、強くなれそうな気がしたの。
誰よりも大切だったから…
心から愛してたから…
今やっと…
そう思えるんだ。
きっと奏も同じでしょ…?
ほら。
こうやって、皆、大人になる。

