でも、最後に奏へのメッセージを綴っていたコトはあたししか知らない。
『島根は…いいところか?』
『…うん。のんびりしてて、皆があったかくて優しい』
『へぇー。俺も今度行ってみたいな』
『…今度ね』
正直、隼希とは行きたくなかった。
なんだか、色んな想い出がありすぎるから…隼希と行っても苦しくなりそうだった。
『楽しんでこいよ。久しぶりに友だちに会うんだから』
『…うん。ありがと』
その日の食事は成人式の話しとか高校の想い出話が中心だった。
青春…と呼ばれる日々は過去となり記憶の片隅にインプットされる。
あたしの青春は…誰色に染まったんだろうか…?
そう考えた時に浮かぶのは
隼希の顔じゃなくて
奏の顔…。
奏はあたしの青春の全て。
まだ少しだけ自信がない。
ちゃんと向き合えるかどうか…
成人式まであと2ヶ月程…。
それまであたしの心が揺れないでいてくれるコトを願う。
前よりほんの少しだけ強くなれたのかな…。

