君の隣



ママの行きそうな場所を探し続けた。


よく通った広場にも…
駅の方にも…

ママはいなかった。


携帯を見てみても誰からも連絡はない。


『どこ行っちゃったの…』



あたしは消えそうな声で呟いた。


『絶対見つかるよ。 探そう』



奏はあたしの手をとった。



あたしはふと思い出した。



ママは海が好きだった。


嫌なコトがあると海に行って
砂浜で寄っては引いていく波を
ずっと見つめていた。



『海… 砂浜…』



足は気持ちより先に走り出していた。


奏もあたしと全速で海に向かってくれた。


海につくと
もうとっくに登った太陽が
あたしたちをまぶしい程に
照らした。



ママの姿はなかった。


代わりにあったのは
砂浜にある5段くらいの
階段の下にそろえてある靴。


見覚えのある薄いピンクのサンダル。


『ママの… サンダル…』


見たくなかった…


見たくないのに目をそらせなかった。


そこにあるのは悲しい現実だった…