君の隣





みいを送ってから、直接家には向かわなかった。




線路沿いの道を歩く。



なんだか、寂しくて…辛かった。

誰か…あたしのそばにいて…。




もぅ1人にしないで…。



足の力がぬけて、その場に座り込んでしまった。





『……ぅ、うう』




どうしても涙がでてきてしまった。



雨が降ってきた。



あたしの心まで濡らしていく。


寒い……雨が涙と一体化して地面に落ちていく。



温もりが欲しい…

誰か、あたしを包んで…全てを受け止めて。





『夢花…?』




優しい声に顔をあげた。



そこには、玲音が心配そうな顔で立っていた。




『どうしたんだよ…風邪ひくぞ』



玲音が傘を差してくれる。




あたしの腕をつかんでそっと立たせてくれた。




『玲音……』





『どうしたんだよ…?俺んち、すぐ近くだからとりあえず来いよ』




あたしは玲音に言われるがままついていった。




玲音の家は綺麗なアパートだった。1LDKで独り暮らし向け。




『俺、独り暮らしだからさ。くつろいでいって』





玲音は何も聞かないであたしに温かい紅茶を出してくれた。




その紅茶がいつもより温かくて、涙が出そうになった。