君の隣





『華から、少しだけ聞いてた。夢は島根にいる元カレを忘れられてないって…さ。

俺も少しは気付いてた。

だって、夢は笑ってるようで笑ってない。弱さを笑顔で隠してる感じ。


俺じゃダメ…?

俺が夢の弱いとこも…夢の全部を受け止める。


だから…俺のそばにいてよ…』





隼希の瞳がまっすぐにあたしを捉える。




自然と涙がこぼれていた。


きっとそれは哀しいものじゃない。



隼希に全てをゆだねてもいいかな、と思った。




ずっと、怖かった。




また傷つけてしまうんじゃないか

傷つくんじゃないか…




けど、傷だらけのあたしを受け止めるって言ってくれた。




あたしは涙で濡れた顔で



『そばにいさせて』


と言った。




隼希は優しく抱き締めてくれた。