君の隣





祭りにはたくさんの屋台が出ていたりして、色んなものを隼希がおごってくれた。





『夢、よく食べるな』




『よく言われる』




隼希と一緒にいるのは楽しかったし、笑ってられた。




気づくと、もう10時を過ぎていた。




『遅くなっちゃったから、送ってく。誘ったの俺だし』





1人も心細かったのであたしは送ってもらうことにした。




家の前に着いてからあたしはお礼を言った。




隼希はやけに真剣な顔であたしの名前を呼んだ。




『夢…』




『ん?』




『俺さ、もう言っていいよな?』



何のこと?ととぼけようとも思ったがやめた。



だって、あたしは気づいてる。




隼希の気持ちにも



隼希が何を言おうとしてるのかも


ただ、あたしの答えだけが見つからない。




『……』




あたしは何も言えなかった。




それでも、隼希は言葉を続けた。





『俺はさ…夢が好きだよ』






隼希の気持ちがあたしの心に入ってきた。




『隼希…』






『俺は、夢を友だちなんて思ったことなかった。 初めっからずっと好きだった』





少しだけためらいがちにだけどはっきり隼希は言う。




隼希の言葉がスッとあたしの耳に入ってくる。




嬉しくないわけない。




ただ



今のあたしは隼希を受け止められるんだろうか?




自分の気持ちに靄がかかる。