―夢花side―
もぅ、1年か…。
家のカレンダーを見てあたしはふと、そう思った。
奏はどうしてるんだろ…?
あたしの望みどおり、幸せでいてくれたなら嬉しい。
けど、その感情の中に汚い感情があることにも気付いていた。
奏があたし以外の人を好きになって…
あたしに触れたように、触れて…
あたしを愛してくれたように、愛して…
それを望んでたはずなのに
やっぱり、まだ胸が痛かった。
君は今どんな気持ちでいる…?
PLLLL〜♪
あたしの携帯がなった。
今は冬休み、遊びの誘いかなんかだろうか…?
着信はクラスの友だち、眞田 隼希(サナダハヤキ)だった。
健くんの親友で、華とあたしと隼希と健くんで遊ぶことはしばしばあった。
『はい、もしもし』
“夢…?隼希だけど”
『うん、どした?』
“明日、暇?”
『明日は―…』
あたしはスケジュール帳を見ながら答えた。
『多分、暇だよ』
“まぢか!!明日、近所ででっかい祭りがあるんだけど行かねぇ?”
『うん、いいよ。華と健くんは?』
“あいつらも行くらしいけど…2人にしろって言われてる”
『ハハハ…!そっか。じゃぁ2人ってコト?』
“嫌か…?”
『嫌じゃないよ』
隼希は安心したような声で、待ち合わせ場所と時間を言うと電話を切った。

