君の隣





『奏、もっと聞きたいことあんだろ?』





『……夢花は、どうしてる?』





奏は少しだけビクビクしながら俺に聞いてきた。





『夢花は、元気にしてるよ……っていうか元気になろうとしてる』




『どぉいうコトだよ?』





『そのままだよ。

夢花、奏と別れてから空っぽなんだ。

大きな物を失ったみたいにさ…。

俺には踏み込めない。

多分、夢花の弱いとこには奏しか踏み込めないんだ。


それを隠そうとして、夢花は必死で笑ってる。

でもその笑顔も俺には泣き顔にしか見えない。


あの冬から、夢花が夢花じゃないみたいなんだ』





奏は何も言えないみたいで、哀しそうな顔だけしてた。





『夢花は誰にも頼らないで、強くなろうとしてる。今年の夏休みも島根には来ないみたい』





『俺は間違ってたかな…?あの時何があってもあいつのそばにいるべきだったのかな?』






『夢花はさ…言い聞かせてるんだ。間違ってないって。


それに…

想うことは一つだけだって。


奏が幸せになることだけを祈ってる、奏は幸せにならなきゃいけない人だからって言うんだ』





奏は俯いた。