島根もやっぱり暑くて、歩いてるだけで汗がふきだしてくる。
俺は奏の家のインターホンを押した。
すぐに、また背が高くなった奏が顔を出した。
『玲音!はやかったな!』
『夜行バスで来たんだ』
『そっか。暑いけん、中入れよ』
『あぁ』
俺は奏に言われるまま、お邪魔します、と中に入った。
玲音の母さんも明るく迎えてくれた。
俺の家にはない暖かさがやっぱり心地よく感じた。
奏の部屋は冷房がきいていて、涼しかった。
『玲音、家の方はどぅなん?』
『大変だよ。後継ぎ、後継ぎって、家中騒いでてさ。楽に高校生活おくれねぇよ』
『社長の息子だけん、しょうがないが。島根に遊びに来ること、おばさんたちは何も言わんのか?』
『反対されてたけど、無視して来ちゃったんだよ。 8月の半ばに帰るとは言っておいたから平気だろ』
『そっか、大変だな』
………
少しの沈黙が俺たちの間に流れた。
多分、2人とも同じことを考えてる。
先に口を開いたのは俺だった。

