奏と付き合い始めて
あたしの日々に少しだけ光がさした。


それでも家に帰れば現実を突きつけられる。


『ただいま…』


ドアを開けると中は真っ暗で
ママがパパに叫んでた。


パパはどうしたらいいか分からなくてあたしの姿を見つけると

『夢花…』

と呟いた。


心の中で何かが崩れていく。


気付いたらあたしは叫んでいた。

『いい加減にしてよ!』


ママはあたしの叫び声にびっくりして静かになった。


『ママはずるいよ! 自分勝手に泣き叫んで! ママだけが辛い訳じゃない!ママだけが泣きたい訳じゃない!』


『夢花…』


ママが小さな声で呟いた。


『もう、嫌だ!もう解放して!』

あたしはそう言い残して自分の部屋に入った。


ベッドにたおれこむと涙が出てきた。


枕に顔を埋めて声を押し殺して泣き続けた。