『初めから、分かってたはずなんだ。こうなるコトくらい。
ママが死んで、弱ってたあたしを奏が救ってくれた。誰も言ってくれなかった言葉を言ってくれた。
奏が光になってくれた。
奏は好きだとか、愛してるとかじゃなくてあたしの全てだったの。
一生、隣にいたかった。
けど…
あたしの弱さがあたしたちのバランスを崩した。
怖かった。
いつか、あたしがホントの奏を殺しちゃいそうで…
太陽みたいな奏を雲みたいなあたしが隠しちゃいそうで…
奏の負担には、なりたくなかった。
奏の幸せを壊したくなかった。
大切だから
大好きだから
幸せになってほしいから…』
玲音は何も言わないで聞いてた。
あたしの瞳をジッととらえて、安心させるように落ち着かせるように。
だから、あたしは泣かなかった。
『冬休みに入って、島根に来たときから決めてたの。
最後はきれいな想い出で終わりたかったから冬休み中は皆との時間を楽しんだ。
ごめんね、何も言わなくて』
玲音は小さく首をふった。
『夢花はこれでよかったの?』
真っ直ぐな目でそう聞かれた。
何を考えてるのか、よく分からない。
それでも、あたしはあたしを包んでいる哀しみや寂しさや後悔をふりはらうように
小さく
でも確かに
頷いた。

