『夢花!』
ファミレスに入ると、席に座っていた玲音に呼ばれた。
『…玲音』
3ヶ月ぶりにあった玲音の髪は少し明るく染まっていた。
『その髪…』
『あぁ、春休みに染めたんだ。似合わないかな!?』
『うぅん、いいと思うよ』
正直、玲音は黒髪でも茶髪でも似合っていてかっこよかった。
『冬休み以来だよね、会うの』
玲音が紅茶をすすりながら言った。
『うん。楽しかったな、冬休み』
彼と過ごした最後の…冬休み。
あの出来事を除けば、きれいな想い出。
でも、思い出すたび
胸が刺されたように痛い。
『夢花…泣きそうな顔してる』
玲音はいつもそうだ。
あたしの弱いとこを見つけて包もうとしてくれる。
だから、涙がこぼれそうになる。
あたしは下唇を噛んで、しっかり前を見た。
『夢花、聞いていい…?奏とのコト』
玲音の言葉が深く深くあたしの心の奥にある何かを揺すぶった。
それは
優しさ…?
憎しみ…?
愛しさ…?
答えなんか分からない。
あたしが決めたコト。
今は
ただひたすらに
奏の幸せを祈るだけ…
あたしは玲音の方をしっかり見て口を開いた。

