君の隣





夜になって、奏と玲音と大は家に帰った。





あたしは、寝るまでみいと話した。





『夢、奏とのコトどうするの?』




『奏と距離を置いてみてさ、やっぱり寂しかったの。

こんなにも、奏がいなきゃダメなんだって思ったら、情けなくなった。

こうやって、あたしはいつも奏によっかかって重荷を背負わせてたんだって。

いつか、あたしは奏をダメにする。

あたしどころか、奏まで弱くする。

好きだから、ホントに好きだから幸せになってほしいの。

奏には、幸せに笑っててほしいの。

あたしの弱さで、奏を不幸にしちゃいけない』





我慢したはずなのに、涙が溢れた。




こうやって、奏の前で泣いて、奏を困らせてた。





あたしは、奏の光になんかなれない。





奏の隣にいるべきなのはあたしじゃない。





それがあたしの答え。





『夢、ホントにいいの?』




あたしはゆっくり頷いた。




『夢が決めたことだけん、あたしは何も言わんけど…。

あたしは奏の幸せは夢の隣にいることだと思うが。

奏は夢のコトを本気で大切にしちょるよ。

夢の全部を受け止めたい、って思っちょるよ。

奏は素直じゃないけん。すれ違って、ダメかもしれないって思っても…奏の気持ちはずっと夢にあるが。
たとえ、別れても奏が夢を忘れる日なんて来ないと思うが』







『それでも、あたしは…奏の未来をダメにしたくないの。

きっと、間違ってない。

きっとすぐ、過去に変わるから』




過去に変わるから…