『ゆーめ! どうしたのボーとしちゃって』





ファミレスで一緒に食べていた華の声にあたしは我にかえった。





『ぁ…ごめん、華』





『奏くんのコト…?こんなかわいぃかわいぃ夢ちゃんを悩ませる男なんて一度見てみたいゎ』





『華〜?ふざけないでよ〜…』





『ごめん、ごめん。真面目に聞くよ…?どうした…?』





『もうすぐ、冬休みでしょ…?島根に帰ろうと思ってるんだけどさ…』





『もしかして、まだ連絡してないの…!?』





『うん…』





『まぢ…!夏休みからでしょ?奏くんずっと待ってるんじゃないの…!?』





『多分…ね。でも、どんどんかけずらくなって…。また、奏に迷惑かけちゃいそうで…怖いんだもん』





『でも…!そんなこと気にしてたらいつまでもこのままだよ…?中途半端なまま終わっちゃうかもしれないんだよ…?』





『それは…分かってるけど…』





『夢…。あたしの経験談だけどさ…。あたしたちに迷ってる暇なんてないんだよ。うちらが迷ってる間に時間はどんどんたってく。現在(いま)は過去に変わってくの。自分の思った通りに進めばいい。回りなんか関係ない』





過去に変わってく―。



楽しかった日々も…



幸せだった時も…




みんな、過去になる。




あたしは、進まなきゃいけない。



迷ってる時間なんて1秒たりともないんだ。




『華…。ありがとう。あたし、連絡する。自分の思った通りに進んでみる』





『そのいきだ…!がんばれ、夢』