君の隣





いつの間にか、花火は終わっていた。




回りは静かで波の音しかしない。



『夢花…。俺、絶対夢花のコト離さんけん。初めてだが…こんなに他人を好きになったの…。夢花以外ありえん』





『あたしも同じだよ。けど…好きなだけじゃうまくいかないんだもん…。誰かを傷つけて、傷ついて…苦しいの』





『待ってるけん。夢花が俺のそばに戻ってくるの。いつまでも…何十年も何百年も待っとる。俺は夢花を信じるが』





あたしは、ゆっくり頷いた。





奏はみいの家まで送ってくれた。




『ありがと…。また…ね』





あたしは、ためらいがちに手をふった。





奏は軽く手をあげた。




なんだか、無性に切なくなってあたしはすぐにドアを閉めた。





涙が一気に溢れ出した。




ドアの前に座り込んで、声を出して泣いた。




もう帰ってきてたみいが二階から降りてきた。





『夢…!!どうしたの…!?』





『みいぃ…』




みいがあたしを抱き締めた。




『話聞くけん、二階上がろ』





あたしは、みいに連れられてみいの部屋に入った。