―1週間後…
みいの家に奏、玲音、大が迎えに来てくれた。
みいと浴衣を着ようか迷ったけど動きにくいとかいう理由で私服にした。
でも、髪型はいつもよりアップにして和風のシュシュをつけて手間をかけた。
『おまたせー』
みいがのんきに言うと、大が
『ホントだが!時間かかりすぎじゃ!』
って怒鳴った。
『レディーなんだからしょうがないけん。そんなのも分からんの?これだから、大はガキなんだが』
『俺はガキじゃねー!!』
『はい、はい。分かったけん、早く行くよ!』
『お前が待たせたんじゃ!』
『喧嘩するほど仲がいいってこういうこと言うんだな』
奏が呆れた感じで笑いながら言ってきた。
『うん、だね』
あたしも笑って返す。
花火大会の会場はすぐそこで5分ほどで着いてしまった。
『花火まで、まだ時間あんな。屋台でも回るか』
『うん!』
うん、と言ったものの人がいっぱいではぐれてしまいそう。
必死でついていくあたしに、奏が右手を差し出した。
『ほら』
あたしは奏の右手に左手をのせた。
『夢花』
玲音に呼ばれて振り向くと、玲音が
『急用できたから、帰るね』
と言って右手をあげた。
あたしは頷いたけど…
どうして、気づかなかったんだろう…?
玲音の瞳はいつもより、哀しくて切なかったのに…。

