君の隣





―7月31日…




二年前のその日に、ママは死んだ。





あたしを残して…1人で…


壊れてしまった。





あたしの心についた深い傷が、うずいた気がした。




まだ…2年。




ママの笑顔も


優しい声も


あたたかい愛情も



全部はっきり覚えてる。




これからも忘れるコトはないと思う。



忘れたくても、忘れられない…。




『夢花…』



奏の優しい声が聞こえる。



この声に癒されればいいのに…




でも、今のあたしは奏の声が遠くに聞こえる程…意識が飛んでた。





聞こえるのは、優しい奏の声じゃなくて…懐かしいママの声。





あたしは、目を閉じていたと思う。



目の前に懐かしい人の姿が浮かぶ。





“夢花…! こっちの服とこっちの服、どっちがパパの好みだと思う!?”





“夢花…! ケーキ作ったの!ちょっと焦げちゃったけど…食べてくれるわよね!?”






“夢花…!パパの誕生日は皆でお祝いしよう! たしか、ケーキはチョコが好きだったわ”





ママが幸せそうに笑ってる。



それだけで…よかったのに…。




あたしは

ママが笑ってれば幸せだったのに…。




ずっと…


皆でこうやって仲良く暮らしていけると思ってたのに…




どうして



壊れてしまったの…?