君の隣




『夢花!?』





『…』





『さっきから、どげした?俺、何かしたかや?』





『別に、何でもないよ』





『嘘だが…。ちゃんと言えや』





奏の声が、優しいような怒ってるような感じで、感情が読めない。




『…怖くなったの。
この4ヶ月間であたしにはあたしの、奏には奏の時間が流れてる。
あたしの知らない奏が増えていくの。

近くにいないと分からないコトってあるじゃん。

離れていくんじゃないかって…怖い…』





奏が黙ってしまった。




あたしの目には涙がたまってきて…今にもこぼれそう。






奏が

ふいに足を止めた。





『奏…?』




あたしが声をかけた瞬間、奏はあたしを抱き寄せた。






『奏…!?』





『夢花…そぎゃんコト思ってたの…?』




奏の声が耳元で響いた。





『そんな心配いらんが。
何度も言っとるだろ…? 俺は夢花しか見えねぇんだが。困るくらいに』





奏の腕の力が強くなる。




『死んでも、離さねぇ。
一生、夢花だけだが』





奏の言葉が…声が…



あたしの心を溶かしていく。





あたしも奏の背中に手を回した。





奏が唇を重ねてきた。




いつもより、力強いキス。




深く…甘く…




落とされていくキス。





あたしは酔いしれる。




人があまり通らない道。




あたしたちだけの世界みたい…。




奏は唇を離すと、手をギュッと握った。