君の隣





ゲートを出て、あたしは回りを見渡した。





必至に奏を探す。



少しでも早く、会いたかった。





『夢花!』




よく通る低い声があたしの名前を呼んだ。




振り向かなくたって、分かるよ。



奏が…いるんだ。




あたしは、ゆっくりと振り返った。




『奏…!』



奏はあたしの所に、かけ足で来て、優しく抱きしめてくれた。





『奏、みんな見てるよ…』




『関係ないが、そぎゃんこと』




奏の腕の力が強くなった。




暖かくて、たくましくて、安心する。




奏の腕の中…恋しかった。





そのまま、あたしたちは無言のまま抱き締めあった。





夏なのに、お互いのぬくもりが心地よかった。





奏はあたしの荷物をあたしの手から奪って持ってくれた。




片手を差し出されて、あたしはその上に手をのせた。




奏の大きな手がギュッと握ってくれる。




ただ、それだけなのに…


あたしの心には、幸せが広がっていく。




会えない時間が増えれば増えるほど、気持ちは大きくなっていって…どうしようもなくなる。




笑顔で話す奏の横顔がやけにきれいに思えた。