君の隣




“奏…、ありがとう。
世界中の人が皆敵になったとしても、奏が味方でいてくれるなら強くなれる気がする”





『大げさだが。俺は夢花が笑っとればそれでいいけん。

夢花を苦しめる物は、俺が潰しちゃる』





“潰すって…(笑) いいね、奏らしいよ”





『だろ!?』





どれくらい話していたんだろうか…?




夢花が



“じゃぁ、そろそろ切るね”



と言って、電話は終わった。





電話を切ったあとは、無性に寂しくなった。




夢花の声をもっと聞いていたい…

夢花に触れたい…


抱き締めたい…




そう思うことは当たり前で。



日に日に、その感情は大きくなっていった。




会えない時間が、2人を強くさせるとか、よく言うけど…



あんなのデマだと思う。




会えない時間が長くなればなるほど自分が弱くなっていった。





夢花のそばにいたくて…


夢花と一緒に砂浜にいたくて…




ただ…

会いたくて…



毎日、切ない想いを抱えていた。



それ程


夢花が愛しかった…。