次の日。


学校を終えたあたしと翼は、ミナミのファーストフード店で、出勤前の腹ごしらえをしていた。


向かいで携帯とにらめっこの翼。


お客さんへの、営業メールだろうか。


あたしはポテトをちまちまと食べながら、携帯を鞄から取り出すと、新規メールの画面を開いた。


「7時からバイト行って来るわ」


哲平も今頃、家を出た頃だろうか。


閉じた携帯をテーブルの上に置くと、あたしはハンバーガーに手を伸ばした。


ブーッ、ブーッ…


すぐさま送られて来たメール。


「頑張れよ。俺も頑張るわ」


頑張れよ…か。


哲平はあたしがキャバクラで働く事を、本当に納得してくれたんだろうか。


頑張るわ…か。


今回の事によって、あたしは哲平を反対する理由がなくなった。


あたしは頑張って指名を取るだとか、そんな事はどうでも良くて。


哲平にも、本心で頑張れなんて、言った事はなかったのにな。