「未来さ、立川先輩の地元知ってる?」
クイズでも出すかのように、あたしに問いかける奈美。
「え、知らんけど」
そんなあたしの返答に、奈美はフフっと笑う。
「あたしと先輩、地元が一緒やねんで」
そう言った奈美の表情は、少し切なくて。
二人の関係がここ最近始まった訳ではない事を、あたしは察知した。
奈美はゆっくりと話を続ける。
その内容に、あたしは驚きを隠せなかった。
奈美と立川先輩は、和歌山県の同じ高校の出身で。
高校時代、二人は恋人同士だったのだ。
当初は自宅から通える範囲の大学を希望していた先輩。
でも合格出来ず、今の大学に入学する事が決まった。
同じ近畿圏とは言え、電車で2時間の距離。
遠距離恋愛とは言えないけれど、中距離恋愛くらいになるのだろうか。
その頃からすれ違い出した二人の関係を、奈美は目を細めながら話していた。
最初の頃、週に一度は地元に帰って来て、奈美との時間を作ってくれた先輩。
でも時間が経つにつれて、それは2週間に一度、月に一度と減っていった。
「あたしが会いに行くって言ったら、お前は高校生やねんし無理すんなって」
その頃を思い出すように、奈美は淡々と話す。
「電話は繋がらん事が多かったし、繋がったと思ったら、疲れてるとか忙しいとかで、全然話せんかったし」
少しずつ溜まっていく不安。
「後ろで女の声が聞こえる事もしょっちゅうでさ」
抑えきれなくなる不安。
あたしが経験した訳ではないけれど、奈美の不安な気持ちは、手に取るように伝わった。
クイズでも出すかのように、あたしに問いかける奈美。
「え、知らんけど」
そんなあたしの返答に、奈美はフフっと笑う。
「あたしと先輩、地元が一緒やねんで」
そう言った奈美の表情は、少し切なくて。
二人の関係がここ最近始まった訳ではない事を、あたしは察知した。
奈美はゆっくりと話を続ける。
その内容に、あたしは驚きを隠せなかった。
奈美と立川先輩は、和歌山県の同じ高校の出身で。
高校時代、二人は恋人同士だったのだ。
当初は自宅から通える範囲の大学を希望していた先輩。
でも合格出来ず、今の大学に入学する事が決まった。
同じ近畿圏とは言え、電車で2時間の距離。
遠距離恋愛とは言えないけれど、中距離恋愛くらいになるのだろうか。
その頃からすれ違い出した二人の関係を、奈美は目を細めながら話していた。
最初の頃、週に一度は地元に帰って来て、奈美との時間を作ってくれた先輩。
でも時間が経つにつれて、それは2週間に一度、月に一度と減っていった。
「あたしが会いに行くって言ったら、お前は高校生やねんし無理すんなって」
その頃を思い出すように、奈美は淡々と話す。
「電話は繋がらん事が多かったし、繋がったと思ったら、疲れてるとか忙しいとかで、全然話せんかったし」
少しずつ溜まっていく不安。
「後ろで女の声が聞こえる事もしょっちゅうでさ」
抑えきれなくなる不安。
あたしが経験した訳ではないけれど、奈美の不安な気持ちは、手に取るように伝わった。



