oneself 後編

「いただきます」


甘酸っぱい苺。


たっぷりの生クリーム。


奈美が入れてくれたアップルティーは、それにすごく合っていて。


黙々とケーキを口に運ぶあたし達。


久しぶりに見る奈美は、少し痩せただろうか。


もともと小柄だったのに、また一回り小さくなったような気がする。


そんな視線に気付いた奈美が、小さく呟いた。


「心配かけてごめん…」


あたしは最後の一切れを口に放りこむと、「ううん」と笑って見せた。


奈美は食欲がないのか、まだ半分くらいを残したまま、持っていたフォークを皿の上にそっと置いた。


奈美の好きな苺ショートなのに…


肩をすくめて、さっきよりも小さくなって座っている奈美。


あたしはゴクリと唾を飲み込み、意を決して奈美に尋ねた。


「何が…あったん?」