何でいきなり…


急過ぎて、気持ちがついていかない。


あれだけ、あと少しでいいから、続けさせて欲しいと思ってたくせに。


反対する哲平を、すごく自分勝手だと思ったくせに。


でも…


こんなあたしに、愛想を尽かしたの?


そんな風に受け取ってしまうあたしは、哲平以上に自分勝手かも知れない。


不安でそれ以上何も言えないまま、哲平を見つめた。


相変わらず天井を見上げ、あたしの方を見向きもしない哲平。


そしてそのまま、宙を眺めたまま呟いた。


「俺もしてるのに、未来はあかんとか、勝手やしさ…」


酷く渇いた、小さな声。


周りの静まり返った空間に、吸い込まれて、消えていくようだった。


あたしは急に不安になって、哲平の傍に駆け寄った。


「そんな事…」


その続きの言葉は、出てこなかった。


ゆっくりと体を起こす哲平。


あたしは何も言えずに、ただ、哲平の胸に顔を埋めた。