oneself 後編

電話を切った後、あたしはなかなか寝付けずにいた。


明日は朝から学校なんだから、早く寝ないと。


そうは思っても、頭の中を駆け巡る、色々な思い。


もう辞めちゃえば?


哲平はもちろん、両親や友達にも、バイト始めたんだって、胸を張って言えるように。


でも続けたいんでしょ?


カードの支払いはもちろん、欲しい物を全て手に入れて、哲平が驚くくらい、素敵な女性になる為に。


ふと枕元の携帯を覗き込んだ。


"02:06"


あたしは溜息を吐いて、布団に潜り込んだ。


何でこんなにも、哲平が好きなんだろう。


楽しかった事、嬉しかった事、幸せだった事。


良い思い出は、もちろん沢山ある。


でも、最近は悩んでばっかりだ。


寝なきゃ寝なきゃと思いながらも、携帯をチェックすると、瞬く間に過ぎていく時間。


やっぱり。


時間の速度と、自分の気持ちって、反比例するんだ。