「今日の夕飯は?またどこかで食べてくるの?」


嫌味混じりに聞いてくる母親に、あたしは「残しといて」とだけ答えると、さっそうと席を立ち、風呂場へと向かった。


今日は早めに帰って来て、家で夕飯を食べよう。


いつも哲平と会えば、どこかで食事を済ましてから帰って来る。


食事代を払ってくれるのはいつも哲平で、お金だって馬鹿にならないよね。


それに哲平もしんどいだろうから、たまには早めに帰って、ゆっくりして欲しいし。


そんな事を考えながらも、両親へのせめてもの罪滅ぼしだった。


シャワーを浴び、準備を済ませて家を出たのは、電話があってから1時間が経った頃だった。


「今から行くよ」


哲平にそうメールを送信し、あたしは駅へと向かった。


今日は哲平に、昨日の事を打ち明けなければいけない。


哲平はどんな反応をするだろう?


少しは心配してくれるだろうか。


それとも笑って応援してくれるだろうか。


全く想像がつかなかった。


いずれにしろ、ちゃんと話して、今日は早々に帰って来よう。


また水曜日には、会えるんだし。