その時、体を少し前のめりにした翼。
「あのさ…」
「ん、どうしたん?」
何か言いたげな目で、テーブルの上に組んだ両手を見つめている。
「お待たせしました」
店員がさきほど注文した飲み物を運んで来ると、翼はすかさずそれを手に取り、一気に半分ほどを飲み干した。
彼女のお酒の強さに感心しながらも、次の言葉を待っていた。
考え込むような翼の様子に、あたしも飲み物を口に含んだ時だった。
「ね、ホストってどう思う?」
あまりに唐突な質問。
あたしは吹き出しそうになるのを必死でこらえ、ゴクリとのどの奥に流し込むと、冷静を装って尋ねた。
「いきなりどうしたん?」
あたしに彼氏がいる事は、翼も知っている。
でもそれ以上の事は、もちろん話した事はない。
それを知っているのは、幸子と香だけだ。
もしかして、翼は知っているの?
この狭いミナミの中、一緒にいるところを見られていたとしても、おかしくはない。
瞬きしながら、あたしの反応を待つ翼。
何て言おう…
お酒で靄がかかったような頭の中を必死で整理し、次の言葉を探していた時だった。
「あのさ…」
「ん、どうしたん?」
何か言いたげな目で、テーブルの上に組んだ両手を見つめている。
「お待たせしました」
店員がさきほど注文した飲み物を運んで来ると、翼はすかさずそれを手に取り、一気に半分ほどを飲み干した。
彼女のお酒の強さに感心しながらも、次の言葉を待っていた。
考え込むような翼の様子に、あたしも飲み物を口に含んだ時だった。
「ね、ホストってどう思う?」
あまりに唐突な質問。
あたしは吹き出しそうになるのを必死でこらえ、ゴクリとのどの奥に流し込むと、冷静を装って尋ねた。
「いきなりどうしたん?」
あたしに彼氏がいる事は、翼も知っている。
でもそれ以上の事は、もちろん話した事はない。
それを知っているのは、幸子と香だけだ。
もしかして、翼は知っているの?
この狭いミナミの中、一緒にいるところを見られていたとしても、おかしくはない。
瞬きしながら、あたしの反応を待つ翼。
何て言おう…
お酒で靄がかかったような頭の中を必死で整理し、次の言葉を探していた時だった。



