待機用のソファーに戻ると、翼があたしを待ってくれていた。


「給料もらった?」


「うん」


「よし、じゃあ着替えて帰ろっか」


ロッカーへと歩き出す翼の後ろを追いかける。


閉店時間の1時は過ぎたものの、お店にはまだ2組のお客さんが残っていた。


その隣には、ヒナタさんの姿。


あたしもいつかは、あんな風になれるのだろうか。


もしあたしがあんな風に素敵な女性になれたなら…


哲平はあたしが離れていかないように、もっと愛してくれるのかな?


ホストなんか辞めて…