今日は一段とお店は暇だった。
「この時期は仕方ないな〜」
隣で古株のアイカさんが、口紅を塗り直しながらぼやく。
この業界では、ニッパチと呼ばれる2月と8月は、他の月と比べると、客の入りが悪くなるそうだ。
あたしと翼は、数えるくらいしか客がいない店内を見渡しながら、携帯を片手に時間を持て余していた。
「こんなに暇じゃやばいよね」
「う~ん」
あたしは気のない返事をして、前田さんから送られて来たメールを開いた。
仕事から帰って来ただの、お風呂に入っただの、正直どうでも良い内容のメールばかり。
それでも返事をしなければ、淋しいと言わんばかりに、泣き顔の絵文字がやたら多いメールが届く。
あたしは適当にそれに返信をすると、パチンと携帯を閉じた。
「お店移ろうかな」
ちょうど同じタイミングで、携帯をテーブルの上に置いた翼が、あたしの顔をチラッと横目で見ながら呟いた。
「えっ?」
突然の言葉に少し大きな声で反応してしまったあたしを、周りの女の子達が不思議そうに見てくる。
ばつが悪そうに俯くあたしに、翼は、「言ってみただけだよ」と、笑った。
翼の気持ちも分からなくはなかった。
一人暮らしの彼女は、あたし以上に出費も多いだろうし。
暇な時、店側は人件費を削る為、女の子の出勤時間帯を調節する。
今までなら、オープンの7時からラストの1時までの計6時間。
最近は遅めに出勤し、早くあがる事も少なくはなかった。
「この時期は仕方ないな〜」
隣で古株のアイカさんが、口紅を塗り直しながらぼやく。
この業界では、ニッパチと呼ばれる2月と8月は、他の月と比べると、客の入りが悪くなるそうだ。
あたしと翼は、数えるくらいしか客がいない店内を見渡しながら、携帯を片手に時間を持て余していた。
「こんなに暇じゃやばいよね」
「う~ん」
あたしは気のない返事をして、前田さんから送られて来たメールを開いた。
仕事から帰って来ただの、お風呂に入っただの、正直どうでも良い内容のメールばかり。
それでも返事をしなければ、淋しいと言わんばかりに、泣き顔の絵文字がやたら多いメールが届く。
あたしは適当にそれに返信をすると、パチンと携帯を閉じた。
「お店移ろうかな」
ちょうど同じタイミングで、携帯をテーブルの上に置いた翼が、あたしの顔をチラッと横目で見ながら呟いた。
「えっ?」
突然の言葉に少し大きな声で反応してしまったあたしを、周りの女の子達が不思議そうに見てくる。
ばつが悪そうに俯くあたしに、翼は、「言ってみただけだよ」と、笑った。
翼の気持ちも分からなくはなかった。
一人暮らしの彼女は、あたし以上に出費も多いだろうし。
暇な時、店側は人件費を削る為、女の子の出勤時間帯を調節する。
今までなら、オープンの7時からラストの1時までの計6時間。
最近は遅めに出勤し、早くあがる事も少なくはなかった。



