あれから数週間が過ぎた。


あの日、初めて哲平のお店に行った日。


あれからあたしと哲平は、初めて真剣に話し合った。


今まで触れないようにしていた、仕事の話を。


哲平は、今はホストを辞める気はないと言った。


そして、あたしの事も応援していると言った。


異性が相手の仕事。


不安にならない訳がない。


でも、それはお互い様で。


だからと言って、お互いに遠慮して、営業を怠れば、成績は伸びない。


「俺は未来を信じてる」


哲平はそう言った。


そして、「未来も俺を信じろ」、と。


あたし達の関係は、変わってしまったんだと思った。


悲しいけれど。


淋しいけれど。


今の哲平には、あたしより仕事の方が大事なんだ。


それでも…


あたしは、未来の希望だけは信じてたよ?