明らかに様子の違うあたしに、哲平が何も感じないはずはなくて。


「だから嫌やったのに…」


溜息混じりにそう呟いた哲平は、あたしの気持ちを全て見透かしていたのだろう。


そうだよね。


勝手にやって来て。


勝手に拗ねられて。


たまったもんじゃないよね。


でも、もう後戻りは出来なくて。


この先、あたしはこんなにも苦しくて悲しいのに、またこの店に来るような気がした。


不安な気持ちに、蓋をする事が出来るなら。


見なくてもいいものは、見ないで済むのなら。


二人でいる時だけの、哲平を信じられるなら。


きっとお互いに、こんな風にはならなかった。


ホストになった哲平。


キャバ嬢になったあたし。


もう、あの頃とは違うんだよ…