ーーーーハッ!










「何してんだ…俺…」











気付くとまたあの女の事を考えている自分に嫌気がさす。




ため息をつきながら、ふと前を見ると











「佐々野……みあ…?」











少し遠くで満員電車の人混みに耐えている佐々野みあの姿が目に映った。


佐々野みあはシンドそうにカバンを胸の前で抱きしめいる。







昨日、倒れるほどの怪我をしたのに満員電車?


あの女バカじゃねーのか?




俺は人混みを掻き分けて、佐々野みあの元へと動き出した。








もう考えないようにしようと

ついさっき思ったばかりなのに





身体が勝手にあの女の元へと動いていく。