ーーーーーー「そいつは俺の女なんかじゃねえから」








そう猛に言って逃げたのは昨日の出来事。







バスケットボールの最中に団子女と衝突して怪我をした佐々野みあ。





凄え苦しそうで、


アイツの苦しむ顔を見たら身体中から血の気が引いて、


でもアイツは猛の腕の中にいて、





本当は……俺が……


俺がーーーー………














………今、俺何を考えた?



自分の感情が分からない。


本当は何がしたいのか、何をするべきなのか、今の俺には全然分からない。










ーーガタンッ










車体が揺れる音に続いて体に感じる大勢の人間の重み。



満員電車は何度経験しても気分の良いものじゃない。






アイツの事を考えるのは……やめよう。


どんなに考えたってきっと分かりはしない。






そういえば…昨日猛から連絡が来てたな……「お前の女無事だったぞ」って……。





お前の女って……佐々野みあは


俺の女なんかじゃ、ない。