俺様ヤンキーに愛されて。~third~












目の前で突然泣き出したあたしを見て困っている白金。





必死に声を出そうとするけど、声が出ない。







伝えたいことが、たくさんあるのに。




もうこんな距離で話すことは二度とないかもしれない。






もう、もう二度と






頭に浮かぶのは雅ちゃんの隣にいる白金の姿。






もう二度と、あたしの隣には帰ってきてくれないかもしれない。



ずっと雅ちゃんの隣にいるのかもしれない。








このチャンスを逃したら、


きっともう白金の記憶は元には戻らない。





万が一戻ったとしても、雅ちゃんのことを好きになってしまっているかもしれない。






以前のような彼氏には、


なってくれない。







そんな事を考えているあたしの耳に届く白金の声。










「辛いか…?」









優しい声に胸がキュンとなる。





辛くないよ。


あたしは白金がそばにいてくれたら、何だって乗り越えられる。




あたしには白金が必要なの……。







心配そうにあたしの顔を覗き込む白金をみていると、記憶を無くしているのが嘘みたいで


あたしの隣にいてくれた時の


あの時の白金と過ごしているみたいで






辛くて、苦しくて、胸がキュンとなる。