玄関に着くと前を歩いていた猛が立ち止まり振り返る。 「涼は教室の場所が分からないだろうからここで待ってろ」 「は?」 「待ってろよ!!絶対だからな!!」 「ちょっと待て おい。たけ………」 俺の言葉に耳も傾けず猛は足早に去って行った。 ……何だよアイツ。 俺、教室の場所ぐらい覚えてるっつーの。 俺の記憶力なめすぎだろ。 1人で教室まで行こうと俺は自分の下駄箱へと足を進める。 スリッパに履き替えると遠くに人の気配を感じた。 「…………………」 俺は無言で振り返る。